現在世界的な大きなトレンドとなっている 「ジャパンディ (Japandi)」スタイルご存知ですか?
本日はトレンドにもなっている 「ジャパンディ (Japandi)」スタイルについて解説していきます。
■ジャパンディ(Japandi)とは??
これは Japan (日本) と Scandinavia (北欧)を組み合わせた造語ですが、 日本的な和の静けさと北欧のシンプルな美しさを融合したスタイルを表します。
同系色でまとめたナチュラルな空間に北欧インテリアと日本の禅の哲学を組み合わせ、 温かみの中に洗練された美しい安らぎの空間を作り出すことから特に海外で絶大な人気を博すヨーロッパ発祥のスタイルになります。
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■和モダンとの違いについて
和と洋の融合と聞くと「和モダンと何が違うの?」と疑問に感じる方もいると思います。 「和モダン」は和をベースに洋風の要素を取り入れていったものです。
・「ジャパンディ」と「和モダン」の違い
一方 「ジャパンディ」は北欧ベースに和の要素を取り入れていく和3:北欧7のスタイルになります。
長く厳しい寒さが続く北欧では自ずと室内で過ごす時間が長くなるので、 ほっと癒される居心地の良い時間やそこから生みだされる幸福感 「ヒュッゲ HYGEE」 を大切にしています。 2020 年新型コロナウイルスが世界的に大流行した頃から特に注目を浴びだした 「ジャパンディ」。 パンデミックによる不安感の中、 家での時間が格段に増え、 自然やインテリアを今までよりも大切に思うようになり自然素材を活かした北欧の家具や温かみのある照明に安らぎを覚えたのかもしれません。
■ジャパンディの特徴と歴史
・自然素材と温もり、そして機能美
ジャパンディスタイルは、日本の伝統美と北欧デザインの機能性が融合した、今最も注目されているインテリアスタイルです。その特徴は、大きく分けて以下の3つにまとめられます。
自然素材の活用
木材、和紙、石など、自然素材をふんだんに取り入れることで、温かみのある空間を演出します。無垢の木材の家具や、土壁のような質感の壁紙は、ジャパンディスタイルの代表的なアイテムです。
シンプルで機能的なデザイン
北欧デザインの影響を受け、無駄を省いたシンプルなデザインが特徴です。しかし、単なるミニマリズムではなく、日本の伝統的な美意識である「余白の美」を意識し、それぞれのアイテムに存在感を持たせます。
温かみのある雰囲気
自然素材とあたたかみのある色使いによって、心が安らぐような温かい空間を作り出します。また、間接照明などを効果的に使うことで、心地よい雰囲気をさらに高めます。
・北欧スタイルとの違い、そしてジャパンディスタイルの独自性
ジャパンディスタイルと北欧スタイルは、どちらも自然素材を重視し、シンプルで機能的なデザインを特徴とする点で共通しています。しかし、いくつかの重要な違いがあります。
伝統とのつながり
ジャパンディスタイルは、日本の伝統的な美意識である「わびさび」や「余白の美」を強く意識しています。一方、北欧スタイルは、機能性を重視したミニマルなデザインが特徴です。
素材感
ジャパンディスタイルは、木や石など、より自然な素材感を重視します。北欧スタイルは、白やグレーなど、少しクールな印象を与える色使いが多い傾向があります。
空間の雰囲気
ジャパンディスタイルは、温かみのある落ち着いた雰囲気を重視します。北欧スタイルは、開放的で明るい雰囲気を重視する傾向があります。
これらの違いから、ジャパンディスタイルは、北欧スタイルの機能性と、日本の伝統的な美意識が見事に融合した、独自のスタイルであると言えるでしょう。
・ジャパンディスタイルの歴史と現代への発展
ジャパンディスタイルという用語が広く知られるようになったのは近年ですが、そのルーツは古く、日本の伝統的な住まいの中に見ることができます。例えば、茶室や書院など、自然素材を活かしたシンプルな空間は、現代のジャパンディスタイルに通じるものがあります。
近年、世界的にシンプルで自然なライフスタイルが求められる中、日本の伝統的な美意識と北欧デザインの機能性が注目を集め、ジャパンディスタイルは新たなインテリアスタイルとして確立されました。特に、コロナ禍をきっかけに、自宅で過ごす時間が増えたことで、より快適で心地よい空間を求める人が増え、ジャパンディスタイルの人気がさらに高まっています。
■お客様の事例
今回大規模リフォームをお任せ下さったお宅はまさに素敵な 「ジャパンディ」 スタイルに仕上がりました。
およそ40年前に建てられた純和風のお宅。 敷地面積も広く玄関もゆったりとした空間があります。
材料も今では手に入らないような贅沢なものを使用しており、 お施主様のこだわりを感じるお宅でしたが、 親子3世代での暮らしになり、 住みやすく現代に合わせたスタイルに変更したいとのことでリフォームに着手。 当時使用した立派な無垢材を使用した床は研磨して蘇らせました。
お料理好きな大奥様とキッチンへのこだわりを強くお持ちの若奥様が選んだのはドイツの GAGGENAU (ガゲナウ)の食洗器。
1683年ドイツで鍛冶屋として創業したビルドイン機器メーカーで、モダンなインテリアにもすっと溶け込む、 洗練されたデザインでありながら堅牢な造りはドイツ人気質を感じます。
こだわりの器や調理器具もたくさんお持ちのお施主様が使いやすいように、 またインテリアに馴染むようにとキッチン収納は造作家具となりました。
もともとキッチン・ダイニング・リビングと別れていた間取りは壁を撤去し1つの空間に。
圧巻の空間に納めたのは Alflex (アルフレックス)のソファと家具です。 イタリアでモダンファニチャーの思想と心地良い暮らしの在り方を学んだ創業者が、帰国後1969年に国内で展開を始めた家具ブランド Alflex (アルフレックス)。
ダイニングテーブルに選んだのは 「NATURA」 スチールの脚部と無垢板を組み合わせたシンプルながら力強さを感じるテーブルは幅・長さ共に伸ばし特注でのオーダーです。 無垢板なのでサンドペーパーでの研磨とオイル塗布の定期的なお手入れでいつまででも美しい姿を維持できるのも魅力の一つです。
このテーブルに合わせたのは、 同じく Alflex のベンチとカンディハウスの椅子。 Conde House (カンディハウス) もまた自然を大切に木製家具をデザインしている家具ブランドです。 家具職人を目指した創業者がドイツに渡り修行した際北海道の木材が高級家具として世界中で使用されている事に衝撃を受け、 帰国後はその精神のもとものづくりをしており、北海道の自然と日本の文化に育まれた美意識をデザインとものづくりに生かし長く愛着を持って使っていける家具の提案をしているブランドです。
全て同じブランドで揃えることもおしゃれ。 似たテイストの違うブランドで揃えることもまたおしゃれ。 個人の感性で納得いく家具をお探しすることも弊社の仕事の一つです。 照明も 「ジャパンディ」 スタイルに重要なアイテム。 今回ダイニングテーブルの照明に選んだのは北欧を代表する照明ブランド 「Louis Poulsen」 (ルイスポールセン)のPH スノーボールです。
シェードの両面を光沢とマットに塗り分けており、 美しい光の効果を生み出す照明。 光源の光は全てシェード内面に同じ角度であたり、 グレア (眩しさ) を全く感じない計算されたデザイン。 とても洗練されたデザインですが温かみもあるこの照明はリビングにもベッドルームにもマッチする万能な照明です。 しばらくしてから別のお部屋の照明として使用しても楽しめると思います。 リビングは全てダウンライトへ。
季節によっても天気によっても時間帯によっても人によっても必要とする部屋の明るさは変わりますので、 全てを調光調色ができるようにしています。
重厚感とやわらかな暖かみのある風合いが長年愛されてきた大谷石を設置した壁に TVを掛けました。 空間に広がりを持たせる為、 また大谷石の表情を立体的に表現する為にここにはウォールウォッシャーを設置。 光の持つ温かさが居心地の良い空間を作ります。
■まとめ
「ジャパンディ」は、日本の伝統的な美意識と北欧デザインの機能性を融合させた、今最も注目されているインテリアスタイルです。自然素材を基調とした温かみのある空間、シンプルで無駄のないデザイン、そして、機能性と美しさを兼ね備えた点が特徴です。
ジャパンディスタイルは、自然素材と伝統的な美意識を取り入れた、心地よい空間です。忙しい現代人にとって、心身のリラックスできる空間を提供してくれるでしょう。